最初から残念なことを申し上げますが、クレジットカードは基本的に年会費無料のものよりも有料のもののほうがハイスペックです。これはクレジットカードに限らずどんなものでもそうですが、安かろう悪かろうというのは当たり前。年会費永年無料のクレジットカードの弱点はこちらの記事を参考にしてください。ようするに、年会費無料ということは何か理由がある、ということです。
とはいえ、実際は年に1回、お金を取られるというのは嬉しいことではないのも事実。そりゃ出来るなら年会費無料で使いたいというのはもちろんわかります。それに、年会費無料カードでも「うまく使えば」年会費有料のカードに負けずとも劣らないスペックを発揮するものもあります。
なのでここではあえて年会費無料カードを作るならどれを作るのがオススメなのか、ということに焦点を絞っておすすめのクレカをランキング形式で発表します。ついでに、なぜ年会費が無料でもオススメ出来るのか(※クレジットカード会社はどうやって元をとっているのか?)も合わせて解説していきたいと思います。
※注:年会費「実質」無料のクレジットカードについてはランキングに含めません
以下のクレジットカードには年会費実質無料というクレジットカードは含めません。これはある一定の条件を満たせば、年会費が無料になるというタイプのクレジットカードのことで、ようは、「クレジットカードを作ったはいいけど全く使わないという人を防止するための方法」ですが、これは永年無料ではないのでランキングからは除外します(それに作っても使うのを忘れたら年会費かかってきますし)。
では、早速見ていきましょう。
1位:JCB CARD W
JCBカードは国際ブランドのJCBカードはが発行しているカード。2017年に発行された新しいカードです。還元率はどこで使っても常時1%、Amazonやスターバックスカードへのチャージ、セブンイレブン、ヨーカドーがポイントアップ店なので、それらでは還元率は2%以上です。旅行保険も利用付帯ではあるものの最高2000万円付帯しています。
なぜJCB CARD Wは年会費が無料でここまでのサービスを実現出来るの?
JCBは日本ならどこでも使える国際ブランドで、いわば日本のクレジットカード業界の大ボスのような存在です。
そんなJCBが自らカードを発行する理由は、ただクレジットカードで利益を出すだけではなく、JCBという国際ブランドを広める目的もあるので、優れたサービスを付帯して年会費無料でも使ってもらうことを重視しています。JCB CARD Wは新しいカードで、後出しなので、他の年会費無料のクレジットカードをリサーチして、それを超えるように設計されたように思います。
また、JCBは大ボスでどこにも属していないので、他のクレジットカードのように優待店舗が偏ることなく幅広いお店で優待が付くのも特徴です。
2位:楽天カード
楽天カードはCMでも連呼しているように年会費は永年無料のクレジットカードでその代表格でしょう。還元率も高く(1%+α)、楽天市場で使えば4%以上です。楽天カードも利用付帯ではあるものの最高2000万円の海外旅行保険も付いています。
なぜ楽天カードは年会費が無料でここまでのサービスを実現出来るの?
楽天カードが年会費を永年無料にしてあそこまで広告を出して募集しまくることが出来るのかというと、その理由はただ一つ。楽天市場など、自社のサービスを使うと還元率がアップする&貯まったポイントは楽天のサービスで使うのが一番お得(=顧客を取り囲む戦略)だから、です
ずっとネットショッピングはAmazon派だった人も楽天カードを作った途端に楽天しか使わなくなる、という声も珍しくありません。こういう戦略があると年会費が永年無料でも改悪の可能性はかなり少ないので安心して使うことが出来ます。
3位:Orico Card The Point
Orico Card The Pointは、上記の楽天カードと違って、どこか特定の場所で特にお得というよりも、実店舗でも、楽天でもAmazonでも幅広くお得、といったポイント重視型のクレジットカード(Amazonが一番オトクなのですが、たぶん楽天カードに対抗しての対策なのではないかなと)。
入会後半年間は年会費永年無料なのに、ポイント還元率は2%という無双状態なので、うまく利用していきましょう。
なぜOrico Card The Pointは年会費が無料なのに還元率が高いの?
オリコカードザポイントは完全にポイント重視型でそれ以外は何も付いていません。海外旅行保険なども一切付帯していません。ムダをそぎ落としてポイント重視型のクレジットカードを作り出したように思います。
さらに、Amazonなどネットショッピングでお得に使うためにはオリコモールというオンラインモールを経由する必要があります。オリコモールに人を集めれば、お金を出してでも掲載したいという企業やショップが増える、という具合に、どちらかというと個人からお金をとって儲けるというよりも、企業からお金をとるスタンス。ぜひともこの方向性を貫いて頑張っていただきたいです。
4位:ライフカード
ライフカードは、誕生日月にだけポイントが3倍とすごくパワーアップするクレジットカードです。通常時も初年度はポイントが倍付けだったり、利用額に応じてポイント還元率アップしたり、と利用者の使い方でかなりお得になるカードだと言えます。
さらに旅行保険もここで紹介している年会費永年無料のクレカ一覧の中では唯一自動付帯です。
なぜライフカードは年会費が無料なのにここまでのサービスを付けられるの?
ライフカードは楽天カードやリクルートカードなどのように独自のサービスを持っているわけではないので、還元率を上げるために「誕生日月3倍」という策を思いつきました。私のように誕生日月だけのためにライフカードを作る人も多いでしょう。
その代わりといってはなんですが、通常時はそこまで還元率が高いカードではありません。だからこそ年会費無料で旅行保険まで付けることが出来ているのではないかと思います。
貯まったポイントの交換先も各種ギフトカードなど万能性が高いので、特にこだわりがなく、誕生日だけおもいっきり買い物をしたいような人にオススメします(ただしあくまで年会費無料カードですので、普段使いしないと限度額が上がらない=誕生日月で貯まるポイントもたかがしれているのでご注意を)。
5位:リクルートカード
リクルートカードは通常時のポイント還元率は↑の2枚よりも高い1.2%、なのに年会費永年無料というクレジットカード。
しかも永年無料でありながら海外旅行、国内旅行ともに、利用付帯ではありますが旅行保険が付きます。
なぜリクルートカードは年会費が無料なのに還元率が高いの?
リクルートカードは還元率は常時、どこで使っても高くて、かつ、旅行保険も付いて、年会費が永年無料で、、いかにも何か裏がありそうなカードです(笑)。
実際のところ、リクルートカードが年会費無料で常時1.2%という還元率を実現できるのは、数字だけみれば魅力的ですが、貯まるポイントはホットペッパービューティーなどで使えるリクルートポイント、及びそこから交換できるPontaポイントなので、かなり用途が限られます(楽天やAmazonでは使えない)。
なので、リクルート系サービスをよく使う方なら万々歳で作っても良いでしょうが、それ以外の方は還元率が高く、年会費無料だからといって飛びつかないほうが良いでしょう。実際、リクルートカードプラスという上位版のカードはすぐに発行停止になっています(サービス過剰だったかと)。
5位:Yahoo!JAPANカード
Yahoo!JAPANカードはYahoo!JAPANが運営するYahoo!ショッピングなどで還元率が3%になるクレジットカード。Tポイントカードと一体型のクレカでもあります。
なぜYahoo!JAPANカードは年会費が無料なのに還元率が高いの?
Yahoo!JAPANカードは旅行保険などは一切付いておらず、Yahoo!JAPANショッピングでポイントが3倍貯まる(通常は1%の還元率→3%に)のがメイン機能というサービスを絞ったポイント特化型のクレジットカードです。
買い物はAmazonや楽天ではなくて、ヤフーショッピングでもOKという方なら、高い還元率を享受することが出来ますが、あくまでヤフーのサービス(主にYahooショッピングに誘導)の囲い込み戦略で元をとっている=ゆえに年会費無料で高い還元率を実現できている、楽天カードなどと同じタイプです。貯まるポイントはYahoo!JAPANならではでTポイントなので、リアル店舗でも使えるところが多い=凡庸性は高いといえば高いです。よくTポイントを使う方なら作って良いカードだと思います。
年会費無料カードを発行する企業の意図を読んで利用せよ
というわけで、年会費が永年無料のクレジットカードを5枚ほどおすすめランキング形式で発表すると同時に、「なぜ年会費が無料なのにハイスペックなサービスを提供出来ているのか」という裏読みをしてみました。
クレジットカードは利用するたびにお店から手数料を取りますが、それだけではポイント還元でトントン(もしくはマイナス)です。ですから、年会費無料でもクレジットカードを発行するというのは何か必ず理由があるんです。
でも大丈夫。このページのようにクレジットカードの収益元をしっかりと推察することによって、キチンとしたカード(=信頼しても良いカード、長くサービスが続くカード)を選べるようになります。クレジットカードのランキング自体を参考にしてもらうのはもちろん、このような考え方も参考にしてみてください。