クレジットカードを作る前に、クレジットカードはどのような仕組みでお金が支払われているのかを知ることも重要です。まだクレジットカードを作ったことがない学生の方などは特にこの仕組みをよく理解してから作るようにしましょう。
あなたは、ポイントを付けてもクレジットカード会社は赤字にならないのか?、なぜクレジットカードが使えるお店とそうじゃないお店があるのか?、という疑問に答えることが出来ますか?もし答えることが出来ないようでしたらぜひ読み進めてクレジットカードへの理解を深めてみてください。
※SQUARE、楽天スマートペイなどの決済代行サービスについても解説すると色々複雑に(私達にとっては便利に)なってきてしまうので、出来る限りシンプルに基本的なところのみを説明していきます。
目次
- クレジットカードで支払ったお金がお店に支払われる仕組み
- クレジットカード会社が利益を出す仕組み
- お店はなぜ手数料を支払ってまでクレジットカード決済を導入するの?
- ユーザー(あなた)はなぜクレジットカードを使うの?
- クレジットカード会社はなぜポイントを付けることが出来るの?
- クレジットカードの仕組み、その全体像を知った上でクレジットカードを作ろう
クレジットカードで支払ったお金がお店に支払われる仕組み
あなたは今、お店でクレジットカードを提示して、サインや暗証番号を入力し、支払いを完了しました。当然、商品をすぐに持ち帰ることが出来ます。でも実は、この時点でお店にはすぐにお金が入ってくるわけではありません。
まずはお店からクレジットカード会社に「「あなた」様が買い物をしましたので代わりにお金を支払ってください」と請求が行きます。
※この際、あなたがお店で購入してから、お店に入金があるまでは早ければ翌日−2日ほどで入金が可能なシステムが多数登場しているため、お店側はお金が持ち出しになって困るということはほとんどなくなりました。
この段階でまだあなたは実際にお金は支払っていません。そう、クレジットカード会社や仲介業者が立て替えてくれているからです。
立て替えてくれた分は当然しっかりと支払わなければなりません。今度はクレジットカード会社からあなたへの請求が1ヶ月に1度ほどまとめて行われます。
実際には、月に1度、請求額のお知らせが来て、指定した銀行口座から引き落としが行われます。
ここまで読んで、支払いの仕組み、流れはご理解頂けましたでしょうか?
でも、これだけだと、単にお金がぐるぐる回っているだけでクレジットカード会社は全く儲かっていませんよね?儲ける人がいなければビジネスは成り立ちません。
なので次に、クレジットカード会社がお金を儲ける仕組みを見ていきましょう。
クレジットカード会社が利益を出す仕組み
さて、クレジットカード会社が利益を出すポイントは大きく分けて3つ、
- あなたから受け取る年会費
- あなたから受け取る分割払いの際の手数料
- 加盟店からの手数料
です。
年会費が無料のカードだったり、分割払いをしない方も多いので(日本では支払いの8割が一括払い)、実際のところゴールドカードなどのステータスカードを除くと、クレジットカード会社が設けているのは加盟店手数料がメインです。
例えば、加盟店手数料が3%だった場合、あなたが1万円の服をクレジットカードで買ったとしたら、お店に入金されるのはクレジットカード加盟店手数料を引いた9,700円になります。
サイゼ◯アなど、薄利多売で価格をギリギリまで切り詰めているようなレストランなどでクレジットカードが使えないのは、この加盟店手数料を支払ったら利益が残らない(少なくなる)からです。
私事ですが、「懇意にしているお店では余程高い買い物以外ではクレジットカードは使うな」と知り合いの経営者の方に言われたことがあります。それはクレジットカード会社にお金を支払わず、少しでもお店にお金が残って欲しいという願いからで、(時代遅れではありますが)一種のオトナの振る舞いと言えるかも?
兎にも角にも、あなたがクレジットカード払いをした際には、お店がカード会社に手数料を支払っているという仕組みは知っておきましょう。
お店はなぜ手数料を支払ってまでクレジットカード決済を導入するの?
お店は現金払いで支払ってもらうのが加盟店手数料を支払わなくて良いから一番嬉しい。でも、現在ではクレジットカードが使えないお店はどんどん少なくなってきています。それは何故でしょうか?
手持ちのお金がない方を帰してしまう恐れがある、など色々な理由があるでしょうが、一言でいうなら「お客さまの利便性を考えたら導入しないわけにはいかないから」です。
ネットショッピングでもクレジットカードが必須になってきた昨今、「カードは作らない徹底的に現金派」というかつて存在した硬派な種族も絶滅しつつあります。逆に、現金を全く持たずに、電子マネーとクレジットカードのみで生活している人も多いです。そうなると、決済手段でクレジットカードが使えるお店、と、現金払いのみのお店があった場合に、後者を選択する人は少なくなり、余程の「そこにしかない何か」がない限り買い物はしなくなります。
商売である以上、決済というインフラを無視するわけにはいかないので、お店の経営者は、例えばあらかじめクレジットカード手数料を価格に上乗せするなどしてでもカード決済システムを導入する必要があるわけです。それに手数料が安い決済代行サービスも出てきましたから、これからますますクレジットカードが使えないお店は減っていくでしょう。
※ヨドバシカメラでは、以前は還元するヨドバシポイントをクレジットカード払いの際は低くして(通常10%→8%)いましたが、現在ではクレジットカード払いでも現金払いと同等のポイントを10%付けるようにしました。それくらいカード払いのニーズが増しているという証拠ではないでしょうか。
ユーザー(あなた)はなぜクレジットカードを使うの?
ここまで見てきた通り、私たちは年会費や分割払いを考慮しなければ、私達ユーザーは(お店の努力のおかげで)便利にクレジットカードを使えるということがおわかり頂けたかと思います。
ただ現金が必要なくて便利だから、というのもクレジットカードを使う大きな理由の1つです。他にもカード会社同士が加入者を募るため差別化しようとポイントが付いたり旅行保険が付いたりと至れり尽くせりです。
管理人としては、なぜ使わないの?という意見を聞いてみたいところです。
クレジットカード会社はなぜポイントを付けることが出来るの?
クレジットカード会社は加盟店から手数料を取ることで利益を得ているという仕組みは見てきた通りなのですが、いくら他のカードと差別化しようとしても、そこからユーザーにポイントを付けてしまうと、当然クレジットカード会社の利益は減りますよね?
Q.ポイントを付けてもビジネスとして成り立つのでしょうか?
A.成り立っていないクレジットカードもたくさんあります。
高還元率を売りにしているクレジットカードはたくさん見かけるのですが、その多くがすぐに還元率を下げる(改悪)、発行停止、といった道に追い込まれています(高還元率で、かつ、年会費が無料だと↑で見た3つ利益の柱が減るわけですからさらに改悪の可能性が高まります)。ただ高還元率だから、という理由でクレジットカードを作ってもすぐに機能が悪くなっては作ってもほとんど意味がありません。
ポイントをたくさん付けても利益を出しているクレジットカード会社の仕組み
クレジットカード加盟店から取る手数料の多くをポイントとして還元しても成り立っているクレジットカード会社もあります。例えば、楽天カードが良い例です。
楽天カードは貯まるポイントは楽天スーパーポイントですから、クレジットカード加盟店から取る手数料の多くをポイントとして還元しても、貯まったポイントで買い物をするのは楽天市場などの楽天関連のサービスなのです。こうして上手い循環が出来ることで、サービス全体として元を取っています。
だから、楽天カードは年会費無料なのに高い還元率を付けることが出来、さらにビジネスモデルとして成り立っている以上、カードが改悪する可能性は低いと言えます。
このようにクレジットカード業界全体の仕組みを知れば、信頼できるクレジットカードも見えてきます。
クレジットカードの仕組み、その全体像を知った上でクレジットカードを作ろう
さて、如何だったでしょうか?かなり基本的なことから説明してみました。実際にはクレジットカード会社といっても一括りに出来るほどシンプルではないし、1番最初に書いた決済代行サービス(Twitterの創業者が作ったSQUAREというサービスが代表)などの登場でもっと複雑なのですが、おおまかな流れが理解できたなら幸いです。
これらの仕組みを知っていてクレジットカードを作るのとそうでないのとでは世の中の見え方が変わる、なんていったら大げさですが、クレジットカードが使えないお店を見つけた時に腹を立てることもなくなる(もしくはその逆で努力が足りないと思う)ことでしょう。笑
あなたが使いたいと思うクレジットカード選び、その基礎知識として多少なりともお役に立ててみてください。