Suicaは電車やバスといった交通網で幅広く使える電子マネー。発行元はJR東日本で、チャージ限度額は20,000円です。
他の10の地方電子マネーとの相互利用も可能になりその利便性は増しているSuicaは、駅内の店舗を中心に使えるお店も拡大しており、タイプはカードタイプのもの、おサイフケータイに対応したモバイルSuica、Apple PayのSuicaアプリで使えるスマホ対応のタイプのものがあります。
カードタイプのSuicaについて
カードタイプのSuicaは、分類としては「定期券」と「名前を入れるSuica(記名式)」と「名前を入れないSuica(無記名式)」、さらに「クレジットカードにSuica機能が付いたもの」に分けられます。
定期券はいいとして、まだSuicaをよくご存じない方だと、「名前を入れるタイプと入れないタイプでは何が違うの?」と疑問に思われるかと思います。
上記の一番大きな違いは、失くしてしまった際に再発行が出来るか出来ないか、です。その代わりSuicaを発行する際に、名前と住所を登録する必要があります。
定期券も名前と住所、電話番号を登録しますから、なくした際に再発行可能です(再発行をする際には再発行手数料が500円と初期段階でかかるデポジットが500円で合計1,000円がかかります)。
定期券タイプのSuicaの作り方
カードタイプの定期券は通勤タイプのものはみどりの窓口、もしくは、多機能券売機と呼ばれる機器(切符を買う機器と並んでせっちされています)で購入することが出来ます。
割引が効く学生の定期券はみどりの窓口のみでしか購入できません。学生証を目視で確認しなければいけないためです。一度確認すれば、4月1日から翌年3月31日の期間なら継続する場合は券売機で購入可能になります。
カードタイプのSuica定期券の場合は作成時に500円のデポジットがかかります。
通常のSuicaカードの作り方
名前入り、名前が入っていないもの、いずれもみどりの窓口のほかにも多機能券売機で買うことができます。
通常のカードタイプの場合は最初に1,000円から5,000円まで1,000円単位、もしくは10,000円のコースのうちいずれかを選んで購入することになります。そして、そのうち500円がデポジット金額として差し引かれます。
例えば、最初に1,000円分のSuicaカードを作ったとしたら1,000-500(デポジット金額)=500円、10,000円で購入したら9,500円、これらは電車料金などとして(電子マネーとして)自由に使えるということです。
つまり上記2種類はいずれもデポジットが500円かかることになりますが、Suicaを使用しなくなった際にみどりの窓口で返却をすれば戻ってきます。
クレジットカード一体型のSuicaの作り方
JR東日本はViewカードというクレジットカードを発行しており、それらのクレジットカードは電子マネーのSuicaと一体化しています。
View SuicaカードやビックカメラSuicaカードが有名です。
これらのクレジットカードを保有していると、おサイフケータイのモバイルSuicaの年会費が無料になったり、チャージ額が少なくなったら自動的に指定分をチャージしてくれるオートチャージが利用可能になるというメリットがあります。
スマートフォン(ケータイ)のSuicaについて
現在ではiPhoneでもおサイフケータイ対応のAndroid端末でもスマートフォンをかざすだけでSuicaが使える環境が整っています。
iPhoneの場合はApple Pay(WALLETアプリ)、及びSuicaアプリケーションをインストールすることによって、おサイフケータイではモバイルSuicaをインストール&登録することによってSuicaが使えるようになります。
おサイフケータイ対応のモバイルSuicaとiPhoneのSuicaの違い
iPhoneのApple Pay及びSuicaアプリは後発ですが、現在では続々と機能が追加され、モバイルSuicaと殆ど同じ機能が使えます。
なので両者共に実用面での機能は殆ど変わらないのですが、かかってくる年会費などに一部違いがあります。
おサイフケータイ対応のモバイルSuicaの準備
Android端末で使えるモバイルSuicaはモバイルSuicaアプリをインストールして利用します。
おサイフケータイのモバイルSuicaには種類が2つあります。通常のモバイルSuicaとEASYモバイルSuicaです。
EASYモバイルSuicaはその名の通り簡易版で、電子マネーのSuicaのみが使えるモバイルSuicaになっています。EASYモバイルSuicaのSuicaにチャージする場合、券売機にタッチして現金で行うか、携帯電話料金と一緒に支払うキャリア決済チャージのみになっており、クレジットカードからチャージしたり、利便性は低いと言えます。
登録が完了すれば、端末をタッチするだけで支払い(改札通過)が完了します。
iPhoneのSuica(Apple Pay及びSuicaアプリ)の準備
iPhoneでSuicaを使うための準備は、WALLETアプリで物理のSuicaカードを読み取るか、別途SuicaアプリをインストールすることですぐにSuicaを発行することが出来ます。物理のSuicaカードをiPhoneに吸い上げた場合、そのSuicaカードは使えなくなるのでご注意ください。
Apple Payでは他にQUIC PayとiDという電子マネーが使えて、これらを利用する場合はアプリを起動して紐付けられたカードを選択する必要がありますが、Suicaの場合はいちいちカードを選択したりする必要はなく、スリープモードでもタッチをするだけで支払い(改札通過)が完了します。
モバイルSuicaとiPhoneのSuicaアプリの年会費
おサイフケータイ端末ではモバイルSuicaの年会費1,000円(税別)がかかります(EASYモバイルSuicaは無料)。
ビューカードを作ればモバイルSuicaの年会費はしばらく無料(※)になりますが、ビューSuicaカードは年会費が500円かかるカードなので実質500円引きと考えたほうが良いかもしれません。ビューカードが発行しているビックカメラSuicaカードだと初年度無料で次年度も利用があれば年会費は無料で使えます。
iPhoneのSuicaの年会費はおサイフケータイのモバイルSuicaと違って、一切かかりません。
SuicaはかなりiPhoneを優遇している感じがします。
モバイルSuicaの登録で新幹線の割引サービスが利用できる
おサイフケータイを利用の方でモバイルSuicaの年会費が高いとお考えの方でも、新幹線を年に数回利用される方であればそれだけで元が取れてしまうサービスがあります。
それがモバトクと呼ばれるサービスです。さらに、モバトクには通常タイプのコースと、スーパーモバトクというコースが用意されています。
- モバトク・・・乗車日の1ヶ月前から新幹線が出発する6分前まで、かつ、AM5:30からPM11:40の間であればいつでも新幹線のチケットが割引価格で購入可能。割引率はスーパーモバトクより劣るが予約変更が何度でも可能なのと、払い戻し手数料は300円と柔軟性に富んでいます。
- スーパーモバトク・・・乗車日の前日のPM23:40までであればいつでも新幹線のチケットが通常のモバトクより割り引かれて購入可能。ただし、出発直前に予約変更が不可能なことと、払い戻し手数料が1,700円かかってくるので、予定にイレギュラーな要因が少ないときのみ使いたい。
例えば東京−秋田間を秋田新幹線で移動しようと思った場合、通常料金(紙の切符を購入した場合)は17,290円。モバトクだと15,540円(1,750円お得)。スーパーモバトクだと13,510円(3,780円お得)。といった感じでかなりお得になります。
年会費はこれだけでペイできてしまいますね(- -;)
iPhoneユーザーの方でもSuicaアプリの<チケット購入>→<モバイルSuica特急券>から利用可能です。
Suicaが付帯したクレジットカード
Suicaをよく使う方なら作っておきたいクレジットカードはJR東日本のクレジットカードブランドであるビューカードのクレジットカードです。
代表的なのは2枚。ビューSuicaカードと、ビックカメラSuicaカード。
スタンダードなものが良い方はビューSuicaカード、ビックカメラでカード払いをした際にポイントが満額貰えるという特典が魅力的な方はビックカメラSuicaカードがおすすめです(いずれにせよSuica周りの機能は同様です)。
ビューカード発行のクレジットカードを持っている際のメリットは以下の通り。
- クレジットカードとSuicaが一体化している(定期券を付けることも可能)。
- モバイルSuicaの年会費が無料になる。
- Suicaのオートチャージが利用可能。
- Suicaへのチャージでポイントが3倍になる。
特にオートチャージ機能はモバイルSuicaでもApple Payでもビューカード保有者しか使えないので、そのために作っても良いと言えるでしょう。また、今後、ビューカードでもJREポイントが貯まるようになるので、Suicaで貯まるポイントを一元化したい方にも便利です。
Suicaのオートチャージ機能
上記の通り、Suicaでオートチャージ機能を使うためにはビューカードが発行しているクレジットカードが必須です。
Suicaの残高が一定額以下になったときに、自動的にビューカードからクレジットカード払いをする機能になります。
例えば、2,000円以下になったら3,000円チャージといった設定ができます。設定できるのは1,000円単位、1万円以下です。Suicaのオートチャージの設定方法は、お使いのSuicaによって異なります。
Viewカード(View SuicaカードやビックカメラSuicaカード)の場合
Viewカード発行のクレジットカード一体型Suicaの場合は、JRに設置されている駅のATMであるVIEW ATTLEでオートチャージの設定を行います。
カードタイプのSuicaの場合
カードタイプのSuicaも駅のATMであるVIEW ATTLEで、オートチャージ設定をしたいSuicaとビューカードをリンクします(Suicaカードをクレジットカードのビューカードと結びつけること)。
無記名式のSuicaはオートチャージの設定が出来ます。記名式のSuica、Suica定期券、Suica付き学生証、ゆうちょICキャッシュカードSuicaがオートチャージとして利用可能です。
モバイルSuica/Apple Pay(Suicaアプリ)の場合
モバイルSuica、iOSのSuicaアプリの場合は、ビューカードを登録すれば、オンライン上でオートチャージの設定&変更ができます。
iPhoneの場合、WALLETアプリからオートチャージの設定は出来ません。別途Suicaアプリをインストールしましょう。
いちいち駅のVIEW ATTLEに行かなくても良いので1番楽です。
電子マネーのSuicaを使ってJREポイントを貯めるためにやらなければいけないこと
Suicaの中でもポイントが貯めるためにはJREポイントサイトからSuicaを登録する必要があります(JREポイントの詳細はこちら)。
その登録したSuicaでNewdaysなどの対象店でSuica払いをした際に、JREポイントが貯まります。ただし、JREポイントが貯まるお店はまだエキナカ店などに限られており、街中では中々ポイントは貯めにくいです。
Suicaのまとめ
交通系電子マネーの代表格であり、Apple Payにも採用されたことで全国的に利用者が増えているSuica。街中で使えるお店もどんどん拡大し続けています。
ポイントは特定のお店でしか貯まりませんが、最も使い道が多い電子マネーの1つであることは間違いありません。